銀魂 180話 [銀魂]
『大切な荷ほど重く背負い難い』
他人におびえ、自分を護るためだけに振るう剣なんて捨てろと言った。
これからは、屍から剥ぎ取った物ではなく、その剣を振れと自分の刀を投げて寄越し、剣の本当の使い方を知りたければ、付いてくるといい・・・ふらりと現れた男がそう言った。
敵を斬るためではなく、弱き己を斬るために。
己を護るのではなく、己の魂を護るために。
自分の全てを受け入れ、自分の過去ごと背負ってくれた師がいた。
もう遠い時間に隔たれてしまったが、受けた言葉はしっかり抱いて・・・足掻きながら、それでも前だけを見て・・・そんな生き方を教えてくれた師がいた。
師と呼べる人・・・一番手っ取り早いのは、学校の先生とかですかね?
私には、同窓会等で逢って涙を流しながら再会を喜ぶ様な師は居ません。
私にとって学校の教師とは、嫌な事を強要し・・・力ずくで押し付ける存在で、それ以上でもそれ以下でもない。
ただ勉強を教えるだけの、只人以下の存在・・・そんな教師しか見た事がない。
子供の頃、その教師の心無い仕打ちにどれだけ心が傷付いただろう。
師とは、何も勉学を教える存在だけではない。
生き方を、体言する者も師なのであろう。
それの良い例と言えば・・・親が一番の担い手だ。
子供を見ていると、親の事が良く解る。
たまに鳶が鷹を産む事があっても、所詮はDNA情報に逆らえないものだから。
基本姿勢や態度や考え・・・その何処かに親が反映しているものだ。
親と言う存在を失い、やっと得た師にも死に別れ・・・それでも曲がる事無く育ったのは、個人の資質かはたまた短い間の師の影響か?
石ころばかりの社会で、まっすぐに歩く事は存外難しい。
それでも、生きていかねばならないから・・・やっぱり、前だけを向いて歩いて行きたい。